「街の中の夢工場」Blog

2025年7月7日
不思議な時間

あめもと@営業です。

少し前の休日に東京国立近代美術館に行ってきました。この立派な建物は1969年にブリヂストンの創業者石橋正二郎さんが個人で新築し寄贈されたとのことです。「個人」でというのがすごいですね。

当日思い立ってきたものですから、企画展の前知識もまるでないまま入館です。この日はスウェーデンの女性画家ヒルマ・アフ・クリントの大回顧展でした。説明によるとカンディンスキーやモンドリアンに先駆けて抽象絵画を描いた画家であったが、死後20年間作品を公開しないよう遺言したこともあり21世紀に再評価されるまで長く知られてこなかったとそうです。

画学生の時代から晩年に至るまでの膨大な作品が展示されていました。一人の作家のこうした展覧会は作品の変遷を辿ることができるので比較的理解しやすい(わかった気になっているだけかもしれませんが)のですが、今回は全然理解の追いつかないままただただ圧倒されました。3m角を超える大作の連作や膨大な数のスケッチ、一つ一つのモチーフやテーマは決して難解なわけではないのですがその質と量の持つエネルギーに打ちのめされてきました。時間があったので展示を行きつ戻りつしながら天才の業のようなものを感じてきました。

常設展では日本の近代の作品の展示で、こちらは教科書で見た作品の実物に触れることができ素晴らしい時間を過ごすことができました。皇居北の丸公園という最高のロケーションです。お濠を眺めながらしみじみ日本の美しさというものを考えた一日でした。