渦巻きポンプを構成する要素部品として「ケーシング」と「インペラー(羽根)」がある。ポンプは羽根が回ることによってケーシング内に圧力差を生み出し、流体を送り出すため、キャビテーションやエロージョン摩耗が問題となる。 キャビテーションやエロージョン摩耗に対しては、ダイクロンを100μm程度処理することにより、厳しい環境下に耐える (ダイクロンの標準膜厚は20~30μm)
・ポンプ部品は流体搬送と言う関係上、エロージョン摩耗が発生する。また、保守点検部品として頻繁に確認する部品でもないため、長期間にわたり使用できるものが望まれている。
・流体がクリーンである場合の方が少なく、異物が混入していたり、スラリーと言った汚泥を搬送する必要がある。その場合はエロージョン摩耗に加え、異物による傷、摩耗と言った問題が発生し、ポンプの能力に影響が出る場合がある。
・表面硬化処理をしたくとも複雑な形状をしているため、溶射等での硬化処理ができない
・エロージョン摩耗に強い。
エロージョン摩耗は流体によって、母材にゆがみ・たわみが発生し、そこが摩耗することによって発生します。摩耗痕としては魚の鱗のような跡が残ります。ダイクロン処理により、表面を硬化することでこう言ったゆがみ・たわみを発生を少なくすることができます。それにより、エロージョン摩耗が少なくなって、長期間に渡りご使用できるようになります。
・傷に強い。
ポンプの部品はその形状からSUS鋳物で作られることがほとんどです。そのため、無処理な状態で使用すると傷などが入ることで、性能に影響が出ます。ダイクロン処理は非常に硬い皮膜が形成されるため、こう言った傷から母材を保護することができ、導入当初の性能を長く保つことができます。
・複雑な形状も処理できる。
ダイクロン処理は溶射のように吹きつけてコーティングするわけではなく、一品一品品物に合わせた電極をお作りし、コーティングを行うので複雑な形状への対応が可能です。
・処理にあたって。
一般的には100μm処理を行います。パッキンや嵌め合いの部分など、ダイクロン処理がコーティングされてしまっては困る箇所はマスキングを行うので、ご安心ください。