表面硬化処理とは、表面処理の中で、硬化を伴うモノの総称である。
具体的には、金属熱処理、湿式めっき、乾式めっき、イオン注入、溶射、溶融処理などが、例として挙げることができる。金属に硬化という機能を付与する技術の全般が含まれ、手法は多岐にわたる。以下のように分類の例を紹介する。
加工応力の除去などによって、耐久性の向上を付与するモノや、簡易的に冷間鍛造を行うこととなる事を利用して、表面硬化する物もある。現在は、同時に異種金属を埋め込み飛躍的に機能を向上させた物もある。
目的に合わせた材料を裏張りするこのとの総称であり、樹脂やガラスが広く行われている。エンジニアリングプラスチックやシリコーン系の材料の普及と高度化によって、機能性が高い材料もひめている。
液中でめっき行う表面処理の総称で、(電気めっき、化学めっき、(無電解めっき))に分類される。
金属を陽極にして、電解質水溶液の電気分解によって、陽極金属の表面に酸化皮膜を形成する処理を陽極酸化と呼ぶ。(“はじめての表面処理技術”仁平宣弘・三尾淳著:技術評論社編より)最もメジャーなモノは、アルマイトと呼ばれる表面処理で、防食、耐摩耗、着色に用いられる。なかには、析出時にフッ素系樹脂も混合する技術も存在する。
現在注目されている表面処理方法の一つで、真空炉の中で加工を行う。比較的許認可もおりやすく、非常に硬質な皮膜を形成することが可能なことから、その応用分野は多い。また、表面近傍のみしか温度が上がることがないので、母材料を痛めることが少ない。
上記の乾式めっきより、比較的大きなエネルギーを発生させることが可能であることから注目されている表面処理方法。真空だけではなく、減圧環境でも高度な皮膜を析出できる物もあり、今後注目されていく可能性は高い。
最も古い表面処理法で、現在の硬化処理で最も一般的に行われている処理と言える。その為、使用されている裾野や、技術の適応範囲も広く、各々が特徴を持って、その処理を行っている。母材の性能を引き出すモノから、積極的にイオンを入れていくモノまで多種多様な種類がある。表面処理を考えるなら、先ず最初に検討を行うべき表面処理分野である。
溶融した液体の中に、母材料を入れ、表面から金属に浸透させていく処理の総称。密着性に優れ、確実な機能を発揮させるなど、非常に信頼性が高い。以前は表面処理の中心に来る技術と目されていた。代替技術の発展や、より簡便な処理法の開発などで、現在までメジャーとは言いがたいが、現在でもその可能性は広がっている。
溶融した金属やセラミック、樹脂などを打ち付けることによって析出させていく表面処理の総称。比較的膜厚を確保することが容易であり、その可能性は無限である。前記の理由で母材料が侵される可能性があるとされていたが、近年の技術革新と低温下に伴い、その幅を広げている技術の一つである。