液体中に発生した多数のキャビテーション(気泡)が材料表面近くでつぶれる際に損傷を与える現象。 液体が流れるあらゆる箇所に発生し、機器の性能低下や材料の破壊をもたらします。
例)
船のプロペラ、水車、ポンプ ・・・ 軸受、管路、ダムの吐出口 等
現象はわかっていますが、実はそのメカニズムは今日においても明らかにされていません。
しかしながら、弊社では次項の「藤木榮博士説」に基づき技術開発を進めてきました。
現在提唱されているキャビテーション壊食(エロ―ジョン)のメカニズムと弊社の対策につきましてご紹介致します。
典型的なエロ―ジョン摩耗痕
気泡内部の蒸気や空気がエネルギーとして蓄積
その際の衝撃力で壊食が生じる
このジェットをマイクロ・ジェットといいます
1975年頃まで最も有力な説
元の衝撃波よりも高い衝撃圧が発生する事も
流体が材料表面に繰り返し衝突したり、衝撃を与えることにより、機械的な損傷を与えてその一部を脱落させていく現象。エルボ配管等でよく発生します。
流体により引き起こされる摩耗のことを総称してこう呼びますので、今回ご紹介したキャビテーション壊食もエロ―ジョン摩耗に含まれます。
錆び(腐食)のことです。エロ―ジョンと密接な関係があり、錆び(コロージョン)が発生したところをエロ―ジョンにより削り取られ、更にコロージョンが進む。と言うように相乗効果で摩耗が進行します。
弊社の技術顧問でもあられた故・藤木栄先生の説は液体・気体を問わず流体が摩耗を引き起こす際は同様の現象(摩耗痕)が見られる事から、弊社では「エロ―ジョン摩耗」に対する技術開発を進めてまいりました。
その結果、「エロ―ジョン対策」として多くの実績を積み上げてまいりました。
密着力が高く剥がれにくく、表面硬さマイクロビッカース1000前後(HV1000前後)と比較的高いためそもそもエロ―ジョン摩耗対策には適した表面処理でした。
しかしながら、母材の塑性変形を伴う摩耗の場合、摩耗のきっかけとなる現象は母材に依存するためダイクロンだけでは十分な効果を発揮する事はできませんでした。
表面状態は平滑である事が重要です。ピンホールや細かい凹凸がありますとそこに渦ができ摩耗につながる原因となります。
母材のたわみを少なくすることが重要です。
オーステナイト系 ⇒ マルテンサイト系 に変更した事で寿命が大幅に伸びました。
そもそも耐摩耗性、摺動摩耗性に優れるダイクロン処理はエロ―ジョン摩耗に最適です。
また、弊社には独自ノウハウがあり、エロ―ジョン摩耗に強い表面処理が可能です。
ポンプケーシング、インペラー、ジェットポンプ、超音波振動子 等々。