ダイショットとは、当社独自の炭化硬質クロムめっき「ダイクロン」にショットピーニング処理を施すことによって、ダイクロンをさらに上回る硬さ・滑りを実現しました。 ショットピーニングとは冷間加工の一種であり、無数の鉄や非鉄金属の粒子を高速度で金属表面に噴射させます。粒子を衝突させることにより「表面硬化」「表層の圧縮残留応力の向上による疲労強度の強化」「表層の残留オーステナイト除去」などに用いられてきました。 その技術を炭化硬質クロムめっき「ダイクロン」と組み合わせることにより、 マイクロビッカース硬さHv1400をマークしました。
ダイクロン処理層の上からショットピーニングを打つことにより、マイクロビッカース硬さHv1400をマークしました。JIS規格準拠の硬質クロムめっきがHv800~900程度、ダイクロンめっきがHv1000程度ということからも、通常のめっき処理よりもさらに硬いめっき層であることが言えます。
従来のダイクロンめっきと比べ、摩擦係数が20%~40%低下しました。(動摩擦係数μ=0.1~0.5,)また、表面粗さについてもRa=0.3~5.0μmと非常に平滑なめっき層が得られます。 このことにより、処理を施す母材(基材)及び処理面と接する相手材に対して、摩耗の減少が期待できます。
鉄鋼系材料(例SS材,SUS材,SK材)や非鉄系材料(例Al合金,Cu合金ほか)といった多種多様な材料に処理が可能です。処理可能な材料についてはお問い合わせください。
通常のダイクロンめっきは標準膜厚20μmです。その上からショットピーニングを打つことにより、20μmのうち2.0~5.0μmがダイショット層となりHv1400程度の硬さを有します。摩耗によりダイショット層がなくなった場合でもその下層はダイクロン層であり、Hv1000程度の硬さを有しております。つまり摩耗が母材に達する前に再処理することにより、母材を痛めることなく、使用することが可能です。
※上記数値はダイショット処理条件により異なる場合があり、数値を保証したものではありません。
特許第4394050号-低摩擦性、耐摩耗性を向上させた金属板の製造方法