ベアリング表面の多機能化にダイクロンが使用されています。
軸受(英語:bearing)とは機械要素のひとつで、回転または往復運動する軸を支える機械部品。軸との接触の状況によって平(ひら)軸受けと転がり軸受けとに分けられます。また、荷重の方向が軸に垂直のラジアル軸受けと同方向のスラスト軸受けとに分けられます。コロとして、使用する場合に、軸側に製品を流す場合と、軸を固定して、ベアリング本体に製品を流す場合があり、後者の場合は、ベアリングの外周と接触することとなります。その為、樹脂コーティングが施されたモノや多様な機能を持ち合わせた製品が存在するわけです。
ベアリングそのものは、多機能、高性能化の一途をたどっており、粗摩擦が無いような状態で摺動することが可能であるが、搬送物の型離れやズレなどによっては、傷が付いたり、巻き込み等の問題を抱えていました。例えば、印刷した板や印刷した紙を搬送するラインの中で、動力を用いて引きながらカットをした後にワークを整列させる必要があります。そのような場合に、縦横方向のベアリングを利用しながらフィンガー等で位置を補正し、並べていきますが、印刷の状態や湿度によっては、ベアリングに接着してしまい、最終的に傷やジャムの原因となっていました。また、それらが剥離した場合に、同質物質が引き合い「ビルドアップ」という現象を起こし、問題となっていました。
そこで、ブラストロンを表面に施工し、型離れ性能を向上させたところ、これらの問題が発生しなくなり、安定的に、ラインを動かすことが出来ました。多くの場合は、DXタイプや#400といった、細かい表面粗さ(Rq0.8μm以下)で施工することが推奨され、場合によっては表面に凹を加工したり、それ以上の粗さを使用される方も居られます。また、ダイス鋼以上の硬さを用いていても摩耗する場合には、ダイクロンによってその性能が出る場合もあります。
しかしながら、本来は、ベアリングそのものトルクや加工によって、改善されるべき問題であり、これらは応急処置的な色合いが強いとも言えます。ベアリングの表面に付けるのではなく、搬送方法を軸に変更し、径や形状、長さやトルクを変更することによって、多くの問題は解決可能であり、それらがスペースやライン上変更困難な場合と考えて頂ければ幸いです。