プラスチック樹脂の超音波溶着を行う場合に使用される金型(ホーン)の延命化
・現在でも広く工業界で利用されている接合技術である「超音波溶着」は、二次加工技術と呼ばれている。それは、成型加工(一次加工)された部品を溶着させることに起因しています。代替技術としては、狭義では接着などであり、広義ではモールディングも含まれる。例えば、樹脂加工したシェル(外形部品)に電気基板を内蔵したいと考えた場合に、一次加工で行う場合には「一体成形」と呼ばれる「加工時に基板を同時に樹脂加工する」必要がある。次に二次加工を行うことを考えるならば、樹脂加工をしたモノに、基板を配置し、その上から接着などの接合を行うことで、加工をすることは可能と言える。しかし、それらの加工条件が不安定で、例えば湿気等が含まれてしまう例や、接着不良で漏れが見つかってしまうことがあるので、モールディングを行うことでその品質を確保する例が散見されます。前者の一体成形が可能であれば、この様な作業は一次加工時に終了することになりますが、例えば、半導体を用いた基盤などであれば、樹脂の成形温度で破損する恐れがあるため、行われていないのが現状です。 そこで、超音波溶着で一次加工品をつなぎ合わせることによって、これらの問題の多くは解決できるため、現在でも広く工業界で利用されています。 原理的には、熱可塑性の樹脂部材に対し、融点を超えるまで超音波震動によって摩擦熱を生じさせ、加熱し、圧力を加えると分子レベルで結合すことを利用しています。 ここで問題となるのは、音波を電波する方法となる。共振運動を利用して非接触で行うことも理論的には可能ですが、エネルギー効率が悪いため、一般的には、金型に何らかの形で超音波発信器の震動を伝え、相手材料に摩擦熱引き起こす必要があります。その為、音波を効率的に流す方法として「ホーン」の開発がされてきました。その名の通り、音を伝える道具であり、以前は本当にラッパの形をしていたので、この様に呼ばれているのです。話を戻すと、これらは、質量の軽いモノが望ましい自明の理であり、古くは銅や真鍮製であったが、現在ではアルミやチタン合金を使用することが多く、全てがチタンで製作することが出来れば、多くの場合の摩耗現象に対応が出来るわけですが、大変な加工費を伴うため、多くはアルミを使用しています。アルミは鉄に比べて硬さが保てない物であり、その事によって、アルミ製の「ホーン」の延命化が求められていました。
・そこで、ダイクロンの高い密着力と、優れた硬さによって、アルミ母材料の「ホーン」の延命化に寄与しています。また「ホーン」の微細な傷が溶着条件に影響を及ぼすことや、傷を発生させる場合があるため。処理時には多くのノウハウを投入しております。