代表取締役社長 鈴木信夫のブログ

一連の某医学部での「下駄」に関して思うこと

遙か昔。友人の家で飯を食っていたときに同席していた高名なお医者さん(旧帝大の教授)の話を思い出したので少し書こうとおもいます。その先生が仰るには

 

「私学の医学部って言うのは、一定数コネで入ってくるから自ずと狭き門になって、偏差値が上がる。国公立の医学部は”偏差値が最も高いから”なんて理由で選んで来る奴も一定数いる。だから、非常に偏差値が上がっている。そんな人達が所謂”お医者さん”になるわけだ。でも、医者に必要な事って必ずしも勉強だけじゃないんだよね。外科医だったら”手先の器用さ”であるし、救急救命の現場では”折らない心”も凄く大切だ。患者さんは話せないことも多いし、一瞬の判断が重要になるケースも多い。医者だけで出来る事なんて少ないから、チームを鼓舞するリーダーシップも必要だ。
小児科医なんて、もっと大変で私からしたら本当に”何言っているか解らない子供達の声”や表情”なんかを読み取って、病気を突き止めなければいけないし、内科医は患者と寄り添う事が必要だとおもう。新しい治療方法だってドンドン開発されているわけで、一生勉強し続ける能力もそうだしね。だけど、多くの場合、勉強を辞めてしまって、同じ薬しか処方しない医者だって沢山居るんだよ。そして、患者の命が失われていく。本当に悲しいことだ。医者に向いていない人がこの世界には多すぎる。だから、医者になるのが目的ではなく、その先のことを考えながら、このみちを志す人こそ。医者に向いている。」

 

と、言う話を聞いた記憶があります。

確かに、僕の大学の教授で大手メーカーのOBだった先生は、国立大学の医学部に「偏差値的」に進んだけど、どうしても「血」を見るのが怖くなって、転部して会計の道に進んだ方も居られましたし、とても勉強していないと思われる「医者の卵」達を学生時代に見たこともあったので、なんとなく納得して聞いておりました。同じように、大学時代のインカレサークルで一緒だった旧帝国大学の学生が、上記の理由で医学部に入り後に経済学部に転部したという人も居ました。なるほど、ある程度信用できるなあと。そのように当時は思っておりました。
その先生はこの後、コネ入試の実態とか、最近はやって居る手術の問題点等をメチャクチャ詳しく教えてくれたのですが、この場では、控えたいと思います。

また、このお医者様は「勉強だけで入ってくると、より一層おかしな世界になるから」と、いう理由で、”一芸入試(AOの事。当時はまだ珍しかった)や、コネ入試”を容認されていたと記憶しています。「中途半端な頭では国家試験になんか受からないし、実習で振り落とされるから入試自体はたいした問題ではない。国家試験の合格率を見れば、どの医学部がコネの人が多いか解るでしょ?」とも仰っていたと記憶しています。
何故、こんな話を私共にしてくれていたのかは明かで「国立大学の医学部一本で2浪している友人が同席していたから」だと思います。「下駄」の話でテレビ報道で「3浪以上は、マイナス点数」という話もございましたので「あ、あの時の話はある程度、当時でも常識的な話だったのかも??」と、急に思い出した次第です。経済的にも裕福な分類に入る家庭で育った友人であったので間接的に「下駄」の話をしたかったのかも知れません。少なくとも、本人はそう思って「俺は、そう思われたくないから、絶対に国立しか行かない」と、勉強していましたが。結局彼は、医学部を諦め有名私立大学の工学部に進学し、現在ベンチャー企業の素晴らしいエンジニアになっています。

彼に、こんな話をしたのは友人の実直な性格が、名医と呼ばれた彼にとっては「医者向きである」と思ったからに外ならないとも思います。これは、他の分野にも通じるところがあると思うのですが、既得権益云々の議論はされますが、有るべき姿のビジョンを明確に論じる機会は非常に少ないと思います。僕は、これらの報道を見ながらそう思った次第です。救急の問題もそうでしょう。3次救急病院の役割は2次救急とは全く違うわけですが、朝から3次救急病院に並ぶ人達を見るに付け、その役割や、有るべき姿を理解していないし、それを社会でコストを支払っていると言う認識も非常に低い人を散見します。

と、長くなりましたので、この辺で。

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