音波によって流体中に微小な空洞を生じる現象のことをいいます。超音波は流体中に激しい圧縮力と減圧力を交互にかけながら進行しますが、減圧力がかかるとき流体中に「真空の空洞」を生じ、これが瞬間的に気泡に変わる。この気泡は次の圧縮力によって断続的に圧縮され続け気泡が小さくなりますが、小さくなる過程で、羽根のような硬い表面近くの泡は粘性と表面張力も作用して、その表面に張り付きながら泡の遠い側がくぼみ、ジェットの勢いで表面に激突して泡は分裂します。このジェット流で硬い表面にエロージョン(壊食)が発生します。
上記のエロージョンとほぼ同意義でありますが、エロージョン摩耗とは、物質(液体・気体・スラリー等)が金属表面を流動することによって、金属表面が物理的に摩耗することをいいます。特に流体機械(ポンプ)や流体搬送部品(パイプ)の形状によって、摩耗が発生しやすい場所が存在します。
流体機械の代表例としてポンプがあります。渦巻きポンプを構成する要素部品として「ケーシング」と「インペラー(羽根)」があります。ポンプは羽根が回ることによってケーシング内に圧力差を生み出し、流体を送り出すため、キャビテーションやエロージョン摩耗が問題となります。 キャビテーションやエロージョン摩耗に対しては、ダイクロンを100μm程度処理することにより、キャビテーションによる損傷やエロージョン摩耗から母材を守ります。